googleが当たり前のように使える幸せ
最近、インターネットアクセスにVPNを禁止する国が続き、話題となっています。VPNと言っても日本国内では聞き慣れない人も多いかも知れませんが、VPNとはVirtual Private Network(バーチャル プライベート ネットワーク・仮想プライベートネットワーク)のことで、ネットワーク上を流れるパケットを暗号化することで、まるで専用回線のように使うことが出来るようになる通信技術で、最近ではVPNに対応したルーターが安価に購入できるようになったほか、プロバイダでもVPN(PPVPN)を提供するとことが多くなっています。
では、なぜVPNを禁止するのかと言えば、パケットが暗号化されると通信を傍受して通信自体をブロックしたり、アクセス先を特定したり、禁止用語や不都合な情報が流れていないかチェックすることができなくなるからです。VPNを禁止する国では同時にgoogleなどの検索エンジンに規制が掛けられることが多く、フィルター済みの自前の検索エンジンしか利用することが出来なくなっています。
いままでは、VPNを利用してgoogleなどの検索エンジンにアクセスしていた研究者や技術者が論文や特許情報にアクセスすることが出来なくなり、情報にアクセスするために頭脳流出が起こると言われています。頭脳流出のデメリットと通信を傍受できるメリット(?)を秤に掛け、メリットの方を選択したということになります。
ネット上には様々な情報が流れていますが、膨大なコストを掛けて情報の監視を行わなければならないというのは、どこかいびつな気がします。少なくとも日本国内ではgoogleなどの検索エンジンは使い放題だし、VPN自体の認知度も低いと言うこと自体、幸せと言えます。普段空気のように思っている「通信の自由」は、これからもずっと失いたくないものです。